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 990528B  緋川瀬綾子・其の壱  代筆・nork

 「クチナシの花を知っているかい? 濃厚な香りを放っていてね、香水の原料にもなるんだよ。」
 旧伯爵家、緋川瀬家の令嬢綾子はその言葉ではっとした。
 「どうしたんだい?綾子さん。」
 「いいえ、なんでもございませんわ」
 隣に座る男    声楽界でもっとも注目を浴びている男、叶雄大。テノールで甘く囁くこの男の心はもう既に、綾子にとっては重荷である。綾子はもう雄大に対して既に誠意を表せなくなっていた。
 「私も存じておりますわ。クチナシの芳香は……六条御息所を苦しめましたわ。心を体から解いて想う男を奪う女の所へ参られるのですけれど、その女の所にはクチナシが咲いていますの。私、幽体離脱するほどに恋焦がれる相手がいるということは、ある意味とても幸せだと思いますの。……源氏物語、お読みになって?」

 綾子専属のリムジンはクチナシの香りを巻き上げながら、走り去る。



 990528A  気がついてみれば 

 もうすぐ2周年。何かしようか? お世話になった方々へ。
 なんて去年もまったく同じ事書いておきながら何もしませんでした。ので今度こそ。あまってるTシャツ(下の2種類、著作権問題アリアリ)でよければ。でも無差別プレゼントなんてする気はないので期待しないでください。物々交換とか? うーん、どうしよう。

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 990526  必然DHTML 

 いやもう。いろんな海外サイト見てまわってたら打ちのめされました。覚えたいですDHTML。一時期のフラッシュのように「あるから使う」じゃなく「必要だから使う」DHTMLのなんとカッコいい事。マイッタよ、ゴメンよ。13インチから21インチまで対応とか、NN3以上対応とか、Dreamcast対応とか、256対応とか、iモード対応とかやってる場合じゃないです。焦りました。精進します。がんばりたいです。なんとかなんとか。
 そのうちリンクページを更新します。



 990521  ワンとニャー 

 くもりのち雨の日。猫「なんだか嫌な雲行きだニャ」犬「ああ、そのようだワン」猫「オヤ、ダンナ、とうとう雨が降ってきやがりましたニャン」犬「ああ、そのようだワン」猫「早く家に帰りましょうニャ、このままじゃ濡れちまいますニャン」犬「濡れてもかまわないじゃないか」猫「どうしたんですニャ、ダンナ」犬「ワシはもういやなんだ、人間共に媚びを売るのワン」猫「…ダンナ?」犬「あんな家帰ってもつまらない人間共に弄ばれるだけだワン、もうまっぴらだワン」猫「それでもこのまま濡れるよりいいニャないですか」犬「雨が降れば濡れるまま、いつか陽が出て濡れた毛も乾くさ。ともかくワシはもう自由に生きるワン」猫「もう戻らニャいんで?」犬「ワシはこれでも犬歯のある立派な犬だ。人間共に頼らず野生でも生きていけるさ」猫「じゃ、アッシはお先に帰らさせていただきますニャンよ」犬「ああ、元気でな」猫「…いいんですか?」犬「はやく帰れ、濡れるぞ」
 翌日、晴れの日。猫「おやおや、ダンナ、結局どこにも行かなかったんですニャ」犬「……」猫「せっかくの毛並みもビシャビシャじゃないですニャン」犬「……」猫「そんな水たまりで寝てると体壊しますニャンよ」犬「……」猫「ダンナ?」犬「……」猫「ダンナったら」犬「……」猫「息して下さいよ、ねえ、ダンナ」



 990519B  白い壁 

 よく見ると白い壁は所々汚れてる。あれは去年スパゲティをブチまけた時のシミだ。せっかく彼女が作ってくれたのにテーブルから落としてしまった時のもの。その青はカラースプレーのシミ。その赤は血の跡のシミ。それはクモを潰した時のシミ。そしてこれは彼女のシミだ。そのあたりの白い壁には彼女が埋まっている。



 990519A  吠えてみた 

 海は眩しい。波は煩い。空は深い。砂浜を走る犬。ボクは靴を脱ぎ捨て波打ち際を歩きながら吠える。両手の拳を突き上げ吠える。天気がいいから、雲が遠くでデカイから、そうする事にした。いいじゃん別に。紫外線は熱い。波は冷たい。目を閉じる。暗闇にイナズマが走る。ボクは吠える。両手の拳を突き上げ吠える。いいでしょ。
 ボクの靴がなくなった。さっきの犬がくわえて逃げた。裸足で歩く帰り道。アスファルトが熱い。ボクは吠える。



 990517B  5月病B 

 あわわわぇやあおぉーばブリャる※◇メ◎$ヴ※&ァ!ー♯?ブー。
 リハビリが必要だリハビリが必要だリバウンドはいらない滞りもいらない。



 990517A  5月病A 

 右豚右豚左豚、右豚右豚時計蝶。



 990507B  SV 

 ある対談で『「デザインはサブカルチャーだ」なんて言われるのは本当は腹が立つんだよなぁ』という話しがあって、その意見にすごく賛同するのだけど、それを読んだ雑誌がSTUDIO VOICE(今月の特集TOKYO DESIGN)。



 990507A  ダイヤル 

 ダイヤル間違っています。繋がりません。「こじ開けてみれば?」赤い導線と青い導線をこうやってグルグルっと結んで。ベランダのアンテナは月を狙う。「やっぱりダメ?」繋がりません。壁から伸びた電話線も。新しい携帯電話も。多分、ちょうど裏側にきちゃってるんだ。だから何もないの。何も届かない。「壊しちゃえば?」右回しでBに2回、左回しでCに1回。繋がりません。あと半周待たないと。どうしても届けたい事があるのに。繋がりたいのに。チャンネル違います。ダイヤル間違っています。繋がりたいです。



 990503B  春 

 夜道の猫が声を出して笑ってた。



 990503A  もったいないから食べちゃった 

 GWってなんですか? なんでみんな休んでるんですか?
 お腹いっぱいカタカナフォント、もういらない。あれも行かない。けど気に入ってるのはあるわけで使いたいのはあるわけで、今月のテキストタイトルフォントはgray graphicsの「Nationalyze」を使わさせていただいてます。ちなみに先月(9904)のはOXYGEN DESIGNの「Chibacity」、その前(9903)のはミヤヂマタカフミさんの「ACRYLIC2081」だったりします。
 GWってなんですか? ハー…。


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